認知症
認知症とはどんな病気?
認知症はかつては痴呆という名前で広く知られていた病気です。脳の働きの中の認知機能と呼ばれる、物事を記憶する、考える、判断するなどの機能が低下し、日常生活に支障をきたしてしまったことのことを指します。
一般的なもの忘れと混同されがちですが、もの忘れはある出来事のうちの一部を忘れてしまうのに対して、認知症では、物事全体を忘れてしまいます。頻繁に同じ事を何度も聞く、何度もあっている人のことを忘れているなどの症状が見られる場合は、認知症の可能性があります。また、周辺症状という、認知症に伴って起こる抑うつ状態、睡眠障害、幻覚、妄想などの症状は治療が可能です。
認知症の主な症状
認知症では主に以下のような症状が見られます。
- 新しいことがまったく覚えられない
- 自分が忘れていることに気付かない
- 突然、時間や場所がわからなくなる
- 同じことを何度も言ったり、聞いたりする
- 物の名前が出てこない
- 置き忘れやしまい忘れが目立つ
- 以前はあった関心や興味が失われた
- 水道の蛇口やガス栓の締め忘れが目立つ
当院での治療方法
- 認知症を根本的に治すための治療法は現時点では見つかっていません。ですが、薬を服用していただくことにより、認知症の進行を遅らせることは可能です。また、認知症に伴う周辺症状も適切な薬を服用していただくことで、軽減することができます。
- 当院を含む一般的な診療所には、CTやMRIなどの脳の検査を行うための設備が無いため、認知症の初期診断を充分に行うことができません。必要に応じて、東京大学医学部付属病院などの専門機関をご紹介します。
- すでに脳などの検査を行い、診断が確定している患者様は認知症の薬を使用して治療を行っていきます。
ご来院いただいた後の注意点
症状が良くなったと思い、患者様の判断で薬を飲むことを止めてしまったために、ふたたび症状が重くなってしまうことが良くあります。飲んでいただく薬の量は患者様の状態を見極めた上で調整していますので、飲む量・回数はお守り下さい。